岩渕先発ホロ苦デビュー／サッカー

＜ロンドン五輪・サッカー：日本０－０南アフリカ＞◇３１日（日本時間８月１日）◇女子１次リーグＦ組◇カーディフ

　期待に応える一発回答には失敗した。控え組中心で臨んだ一戦。ＦＷ岩渕真奈（１９＝日テレ）に昨年５月以来の先発が訪れた。佐々木則夫監督（５４）から「今大会はもちろんだが、未来のエースとして期待しているので経験を積んでほしい」と選ばれ迎えたスタメンのピッチ。左ＭＦの位置に入って、相手ゴールを狙うが届かなかった。

　前半３８分にＭＦ宮間あや（２７＝岡山湯郷）の縦パスを受けたがオフサイド判定。後半５分に放った唯一のシュートはゴールをとらえられず、同１３分には交代を告げられた。「点は常に狙っていく」と語った試合は「ほろ苦先発デビュー」。準々決勝進出をすでに決め、与えられたアピールの場だったが、ニューヒロイン候補は勝利に導くゴールで名乗りを上げられず、悔しさをにじませながら引き揚げた。

　素顔はキャンパスで黄色い声援を受けるイケメン女子大生。駒沢女子大に通い、人文学部国際文化学科で英語、中国語、観光学を学ぶ。さらに加入者５００人以上といわれる私設「ファンクラブ」から「駒女のイケメン」の愛称で受けるエールは熱烈。７月６日に行われた壮行激励会では、学生から激励メッセージが書かれた日の丸を渡され「かっこいい～」と、黄色い声援が巻き起こったほどだった。

　五輪デビュー戦となったこの日から７日間の期末試験の予定だったが、五輪出場とあってリポートと追試の特別待遇を受ける一方で、迎えた五輪の“試験”。不発に終わったが、幸いまだ１９歳。チームは準々決勝に進出する。合格のチャンスはまだまだある。

　［2012年8月1日7時15分　紙面から］