なでしこブラジル戦へ「準備できている」

　【カーディフ（英国）２日＝鎌田直秀】なでしこジャパンは、今日３日（日本時間４日午前１時）の準々決勝ブラジル戦へコンディションを整えた。ＭＦ沢穂希（３３＝ＩＮＡＣ神戸）ら主力組は７月３１日の南アフリカ戦を回避、万全の中５日で臨む。ＤＦ岩清水梓（２５＝日テレ）はフル出場も負傷明けの試合勘が戻ってきた。２戦連続無得点など攻撃陣に不安は残るが、佐々木則夫監督（５４）が最大のヤマ場と位置付ける準々決勝を総力戦で勝ちに行く。

　なでしこジャパンはカーディフ市内のグラウンドで前日練習を行った。強い雨が降り続く中、冒頭１５分以外は非公開で、約１時間半調整。ゲーム形式で連係の確認後、最後はＰＫ練習で締めた。

　ブラジルの分析は進んでいる。女子では珍しい３バックの布陣が濃厚だが、川澄は練習後に「３バックを想定した練習もやりましたし、準備はできている。コーナー付近が空くのでそこをつきたい」と、具体的なアイデアを一部披露するサービス。

　むしろ、緊迫感を漂わせていたのは、佐々木監督と主将宮間。南アフリカ戦で２位狙いの戦略をとった佐々木監督は「とにかく勝つだけです。強い気持ちで」と短いコメント。２試合連続無得点の状況には「得点はブラジル戦にとってある」と強気を崩さない。主将の宮間も「内容どうこうより、どんな手を使っても勝つしかない」と、厳しい表情だった。

　一方、チームの大黒柱らしくゆとりを感じさせたのは沢。南アフリカ戦は欠場し、中５日で休養十分。さらに、この日、隣のグラウンドで練習していた男子英国代表のＭＦギグスを見つけると「わ～、写真撮ってほしい。お願いします」とさっそくお願い。肩を組まれ、握手までして大喜び。「こうやって会えるのは特別なこと。明日への良いモチベーションになります」と、ご機嫌。

　コンディションは整った。あとはチーム一体となって、ブラジル戦だけに全神経を集中させて臨めるかにかかっている。

　［2012年8月3日7時12分　紙面から］