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大儀見弾!大野弾!4強!/サッカー

先制ゴールを決め駆けだす大儀見(手前)と歓喜する宮間。中央は悔しがるマルタ主将
先制ゴールを決め駆けだす大儀見(手前)と歓喜する宮間。中央は悔しがるマルタ主将

<ロンドン五輪・サッカー:日本2-0ブラジル>◇3日(日本時間4日)◇女子準々決勝◇カーディフ

 FIFA(国際サッカー連盟)ランク3位のなでしこジャパンが、ブラジル(同5位)を下した。前半27分、MF沢穂希(33=INAC神戸)の素早いリスタートからFW大儀見優季(25=ポツダム)が右足で先制し、後半28分にはFW大野忍(28)が左足で加点し、08年北京五輪に続く2大会連続の4強を決めた。6日(日本時間7日)、聖地ウェンブリーでフランス(同6位)と、初の決勝進出をかけて対戦する。次戦に勝てば、日本女子サッカー初のメダルが決まる。

 勝利へのプレッシャーを、闘志に変えた。前半27分、FW川澄がファウルを受け、FKを獲得。MF沢が前線へパスを出し、走り込んだFW大儀見がドリブルから、相手DFに囲まれながら右足でゴールを決めた。

 沢のとっさの判断から生まれた先制点だった。ファウルの笛が鳴った瞬間、ボールをセットした。ブラジル選手が陣形を整えないうちに、素早いリスタートでゴール前へパスを出した。そして、ゴールを決めた大儀見が走って向かったのは、沢だった。欲しかった先制点を決め、やっと表情が和らいだ。

 沢は「こういう決勝トーナメントの大事な場面でこそ私の経験がいかせる。もう絶対負けられない戦いが続く。今持っている力をすべて出したい」。その気持ちが、素早いリスタートという機転を利かせた。

 同8分には、体を投げ出してブラジルのゴール前へのクロスを止めるなど、闘志を前面に出したプレーで、チームメートをけん引。前半は1-0で折り返した。

 沢の胸には、4年分の思いが刻まれている。08年8月21日、北京五輪での3位決定戦、ドイツ戦直前のロッカールーム。勝てば初のメダル。しかし、当時ドイツには1度も勝てなかった。難敵中の難敵。円陣を組み、選手が1人ずつ思いをぶつけていく。沢は、自分の背中を指さす、なでしこを象徴するフレーズが口をついて出た。

 「苦しかったら私の背中を見て…」

 沢 負けたらメダルなしという状況で、みんながプレッシャーを感じていた。とにかく私は90分、120分全力でプレーするから。その姿を見てもらって、引っ張りたい気持ちから出た言葉。私は言葉じゃなく、プレーで引っ張るしかできないから。

 今回の五輪、1次リーグ第3戦の南アフリカ戦後、雨の中での練習で、沢は泥だらけでスライディングシュートした。そこまでしなくてもいい中、ためらいなく泥にまみれた。自分がどんな姿勢を見せれば、仲間が何を感じてくれるか、沢には分かっていた。2位通過を巡る騒ぎの中、チームの心が1つになっていく瞬間を、沢は探しているようだった。

 4年を経て、沢のスピリットは後輩へと伝わっていく。4年前、沢に食らいついていた主将宮間は「沢さんの背中を見て最後の1秒まで走り抜きました」。なでしこの思いは、固まっていた。

 最後まで、集中力は切れなかった。後半、必死に攻めるブラジルに流れが傾いた。同17分、五輪2大会連続得点王のFWクリスチアネのシュートを、至近距離でDF熊谷が体でブロック。強力な2トップを無得点に抑えた。同28分には、カウンターから大野が左足で追加点。2トップ2人が、大一番で決めた。

 最大のヤマ場で、サッカー王国のブラジルを退けた。準決勝は、強敵のフランス。頂点まで、あと2勝と迫った。金メダルへと続く道を、走り抜ける。【鎌田直秀】

 [2012年8月4日7時24分 紙面から]



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