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村田1億円の金メダル/ボクシング

金メダルを手に、笑顔で記念写真に納まる村田と妻の佳子さん(撮影・PNP)
金メダルを手に、笑顔で記念写真に納まる村田と妻の佳子さん(撮影・PNP)

<ロンドン五輪:ボクシング>◇11日(日本時間12日)◇男子ミドル級決勝

 1億円の金メダルだ! 村田諒太(26=東洋大職)が、エスキバ・ファルカン(ブラジル)に14-13で判定勝ちし、1964年東京五輪バンタム級の桜井孝雄(故人)以来、48年ぶり2人目の日本人金メダリストになった。本人はプロ転向に消極的だが、世界的にもレベルの高いミドル級の逸材に、早くもプロの複数のジムが獲得に名乗りを上げた。最多12人の世界王者を輩出した協栄ジムの金平桂一郎会長(46)は「億の価値はある」と1億円以上の契約金を用意する考えを示唆。48年ぶりの金看板に、争奪戦は激化しそうだ。

 「ミドル級の金メダリスト」の金看板を背負った村田獲得へ、早くもプロが動き始めた。具志堅用高氏ら12人の世界王者を輩出した協栄ジムの金平会長は「ぜひ来てほしい。金メダリストの参戦はだれもが注目する。取りに行きます」と明言。「億はくだらないでしょう」と1億円以上の契約金を準備する考えを示した。

 村田は五輪前からプロ転向には消極的だったが、金メダル獲得直後は「(今後は)五輪にもう1回出ることか、プロになることか、東洋大の一人前の職員になることか、考えたい」とプロを選択肢の1つに入れた。一夜明け会見では「アマはプロの下にあるわけではない。世界王者のベルト以上にシビアな金メダルを追ってきたことは誇りに思う。憧れはそこ(プロ)にはない」と発言を翻したが、金平会長は「アマに誇りを持ってるでしょうし、その発言は想定内です」と獲得へ思いは揺るがなかった。

 協栄ジムは05年4月に当時グリーンツダジムに所属した亀田興毅を移籍金3000万円(推定)で獲得した。比較して「当時の亀田選手は知名度は抜群だったが、まだ日本、東洋ランクにも入っていなかった。村田選手の場合は金メダルの実力と知名度がある。さらに世界的にレベルの高いミドル級。1億円超えの価値は十分でしょう」と話した。

 WBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志が所属するワタナベジムの渡辺均会長(62)も参戦を表明。村田は同ジムに数年前から出げいこに来ており、真面目な練習姿勢なども見ている。「性格がいいし、努力家。交渉します」と、プロでも成長すると見込む。

 村田には東洋大職員という安定した職もある。元K-1王者で日本ヘビー級1位の藤本京太郎をプロデュースする角海老宝石ジムの萩森健一氏(46)は「東洋大を辞める必要はない」と話す。WBC世界スーパーフライ級王者の佐藤洋太(協栄)がガソリンスタンドのアルバイトをしている例もある。「サラリーマンボクサーもいるし、両立は可能でしょう」と続けた。

 世界で最も選手層の厚いミドル級での金メダルは、陸上でいえば100メートルを日本人が制したようなもの。プロの世界戦も本場の米国開催などが多く、億単位のスーパーファイトも珍しくない。世界的なプロモーターで帝拳ジムの本田明彦会長(64)も「日本王者にはすぐなれるし、世界も十分チャンスがある」。今後は「金の卵」をめぐり、激しいプロのジムによる争奪戦が巻き起こりそうだ。

<村田諒太(むらた・りょうた)アラカルト>

 ◆後輩も祝福 1986年(昭61)1月12日、奈良市生まれ。母校の伏見中には「村田諒太先輩 金メダルおめでとうございます」の垂れ幕がかかった。

 ◆武者修行 中1の時に練習に行った奈良工高(現奈良朱雀高)ボクシング部の当時の主将は、元WBAスーパーフライ級王者の名城信男だった。2週間の武者修行をし、2年時にも2カ月間、同校で練習した。

 ◆本格的に開始 中3で大阪・進光ジムに通い、日本スーパーライト級王座10度防衛の桑田弘氏に素質を見込まれる。南京都高では5冠達成。東洋大では04年の全日本選手権で初優勝。05年にはアマ年間最優秀選手にも選ばれた。06年ドーハアジア大会出場。昨年の世界選手権で日本人過去最高の銀メダルを獲得した。

 ◆職場結婚 10年5月に東洋大職員だった佳子夫人と結婚。昨年5月に長男晴道君が誕生した。

 ◆意外な弱点 かぼちゃとさつまいもが苦手。合宿先から夫人に「かぼちゃ食べたよ」と写メを送るほど。身長182センチ、体重77キロの右ファイター。

 [2012年8月13日8時47分 紙面から]



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