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コラム Nikkan Olympic Column
陸上評論・瀬古利彦 五輪コラム 陸上評論・瀬古利彦

 ◆瀬古利彦(せこ・としひこ)1956年(昭31)7月15日、三重・桑名市生まれ。四日市工高時代は総体800メートル優勝。76年早大入学後 マラソンに転向。福岡3連覇などマラソン15戦10勝。日本陸連理事。

小さな「のろし」は上がった

<ロンドン五輪:陸上>◇12日◇男子マラソン

 中本は良かったね。自分を知っていたから、無理をしなかった。安定した走りができるのが、彼の強さ。波がある藤原とは対照的だね。藤原は10~15キロの14分50秒というハイペースが響いた。ただ、メダルを狙うならある程度のペースアップは仕方がない。入賞狙いだった中本とは違うね。

 入賞で男子マラソン復活への小さな「のろし」は上がった。問題はリオにどうつなげるかだね。言葉は悪いけど、トラックのスピードがない中本でも入賞できるんだ。地力のある若手にも、どんどんマラソンを走ってほしい。そうすれば、メダルも見えてくるよ。

 低迷を打開するためには、練習しかない。今はケガを恐れてか練習量が足りないね。科学的トレーニングもいいけれど、もっと自分を追い込むこと。常識外れの猛練習をしているレスリングは、メダルをとっている。4年は短いよ。すぐ、リオへスタートしなくちゃ。

 [2012年8月13日9時24分 紙面から]



五輪陸上コラム

Nikkan Olympic Athletics Columns
陸上評論・瀬古利彦

陸上評論・瀬古利彦

往年名ランナーで日本陸連理事の瀬古利彦氏が陸上競技を評します。

小さな「のろし」は上がった[13日09:24]