16歳杏南リオのエースだ／陸上

＜ロンドン五輪：陸上＞◇９日（日本時間１０日）◇女子４００メートルリレー予選

　４８年ぶりの参加となった陸上女子４００メートルリレーで、１６歳の土井杏南（埼玉栄高２年）が４年後のリオへとつながる走りを披露した。１走で登場し、陸上としては戦後最年少の１６歳１１カ月での五輪デビュー。抜群のスタートダッシュからスピードに乗り、隣を走る有力国のトリニダード・トバゴとほぼ互角の展開。２走・市川とのバトンパスの距離が詰まり、タイムロスするミスがあったが、走り自体は期待以上だった。

　日本は最後までバトンパスの距離が合わず、４４秒２５の記録で全体最下位で予選敗退。想定タイムより１秒も遅い惨敗だった。それでも土井の表情は明るい。「日本のたくさんの声援に、背中を押してもらった。気持ちよく走れたし、自分らしいレースができた」。３走のエース福島が実力を発揮できぬ中、日本で唯一まばゆい輝きを放った。

　日本陸連の麻場短距離部長は「日本のスプリント界をリードしていく選手になる。出たことに満足せず、今後は参加Ａ標準を破る競技者になってもらいたい」と、福島に並ぶエースとなることを期待。そんな言葉を知ってか、土井は「１６歳とか年齢は関係ない。この五輪は、次のステップになります」。日の丸を背負う自覚が、芽生えた。

　［2012年8月11日8時30分　紙面から］