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コラム Nikkan Olympic Column
競泳評論・高橋繁浩 五輪コラム 競泳評論・高橋繁浩

 ◆高橋繁浩(たかはし・しげひろ)1961年(昭36)6月15日、滋賀県生まれ。84年ロス五輪100平10位、200平12位で引退。87年 に復帰し、88年ソウル五輪200平10位で引退。引退後は中京大で指導するとともに、五輪のテレビ解説も務める。

萩野、初めての五輪とは思えぬレース

<ロンドン五輪:競泳>◇28日◇男子400メートル個人メドレー決勝

 競泳男子400メートル個人メドレーで17歳の萩野公介(栃木・作新学院高3年=御幸ケ原SS)が、銅メダルを獲得した。

 すばらしいレースだった。先行タイプのロクテ、フェルプス、レクロスが最初のバタフライで飛び出した。ここで萩野は動揺することなく、100メートルの入りを速めた。彼は背泳ぎが得意だが、最初のバタフライで置いていかれると厳しい展開になる。そこで離されず、持ち味の背泳ぎで前に追いついた。苦手だったバタフライを強化し、得意の背泳ぎを生かせるようになった。ここが「勝因」だった。

 弱点だった平泳ぎも世界レベルの1分11秒台にまで改善したことで、最後のクロール勝負に持ち込めた。フェルプスの調子は悪かったが、勝利は彼の勢いがあってのこと。17歳で初めての五輪とは思えないレースだった。

 4年前の北京五輪でロクテは4分8秒09の記録で銅メダル。そのロクテがこの4年間でここまで強くなっている。伸びしろを考えれば、萩野にも世界の競泳界をリードする存在になる可能性は十分にある。そのためには、北島が築いてきたアグレッシブな姿勢で、自己記録の更新にどんどん挑んでいってほしい。

 [2012年7月30日9時50分 紙面から]



五輪競泳コラム

Nikkan Olympic Swimming Columns
競泳評論・高橋繁浩

競泳評論・高橋繁浩

元五輪代表の高橋繁浩氏(中京大教授)が五輪競泳を評します。

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