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北島つぶやく「リオまで1460日」

銀メダルを獲得し喜びを爆発させる、左から入江、松田、北島。下は最終泳者の藤井
銀メダルを獲得し喜びを爆発させる、左から入江、松田、北島。下は最終泳者の藤井

 競泳男子平泳ぎの北島康介(29=日本コカ・コーラ)が、16年のリオデジャネイロ五輪までの現役続行を示唆した。男子400メートルメドレーリレーの銀メダル獲得から一夜明けた現地5日朝、自身のツイッターで「リオデジャネイロまであと1460日」とつぶやいた。来年に開催される地元東京国体への出場意欲を表し、20年の東京五輪招致に尽力する意向もあるが、北島自ら次回五輪出場への意思を示したのは初めて。個人2種目無冠に終わった雪辱を、南半球ブラジルで果たす決意のようだ。

 感動的なフィナーレから一夜明けた5日朝、北島が公式ツイッターで「リオデジャネイロまで1460日」とつぶやいた。4月からデサント社とアドバイザリー契約を結んでおり、今後の現役続行は既定路線だが、次の五輪へ意欲を示すような「カウントダウン」。ロンドンの悔しさを糧に、第一線で戦うことを決意したのか。同日午後、ロンドン市内での会見に出席した北島は、ツイッターの内容について「それはご自由に」と否定しなかった。

 前日の大会終了後に、5度目の五輪への挑戦について問われた。「次に自分がどういうステージに立って、何を目標に向かっていくのかを自分で見極めて、考えることが必要じゃないかなと思う。終わりじゃないと思った」と明言した。続けて「挑戦できたからこそ今、この気持ちがあるだろうし。やっぱ五輪の舞台に戻って来れたと思うから。結果4番5番だったけど、その辺は悔いはないよ」と、五輪への変わらぬ思いを明かした。

 9月で30歳を迎えるが、競技力に衰えはない。前日の男子400メートルメドレーリレー決勝では、100メートルを58秒64と8人中ただ1人58秒台の好記録をマーク。チームを銀メダルに導く原動力となった。主将の松田は「康介さんには話してなかったんですけど、部屋の3人で『康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかないぞ』って」。感動的な結末に北島も「みんなのおかげですよ。最後は何とかね」。自らの泳ぎには「(体が)合ってきたというか、まあそれを言ったら終わりだけどね」。肉体の限界でなく、ピーキングの失敗が響いた五輪だった。

 14歳から北京五輪まで指導してきた平井伯昌ヘッドコーチも同じ見解だった。最後の泳ぎを見終え「だんだんよくなってきている。もうちょっと、やりようがあったのになぁ」と悔やんだ。まだまだ戦えるだけに、やり残したことがある。その思いが北島の胸中に去来したのかもしれない。

 4度目の五輪。誰もが望んだ金は取れなかったが、いみじくもこう言う。

 北島 僕は五輪でまた成長させてもらった。後輩からもらう感動だったりとか、自分がきちんと力を出せない悔しさだとか、チームとしての喜びであったりとか、ほかの海外の選手を見てすごいなとか。毎回、毎回、五輪を通じて成長できてるんじゃないかな。

 五輪をあきらめる理由なんて何もない。1460日後の「鉄人伝説」の始まりへ。ロンドンの終わりとともに、北島の新たな1歩が始まった。【佐藤隆志】

 [2012年8月6日9時0分 紙面から]



五輪競泳コラム

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競泳評論・高橋繁浩

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元五輪代表の高橋繁浩氏(中京大教授)が五輪競泳を評します。

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