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コラム Nikkan Olympic Column
競泳評論・高橋繁浩 五輪コラム 競泳評論・高橋繁浩

 ◆高橋繁浩(たかはし・しげひろ)1961年(昭36)6月15日、滋賀県生まれ。84年ロス五輪100平10位、200平12位で引退。87年 に復帰し、88年ソウル五輪200平10位で引退。引退後は中京大で指導するとともに、五輪のテレビ解説も務める。

世代交代に負けず守った銅

<ロンドン五輪:競泳>◇7月31日(日本時間1日)◇男子200メートルバタフライ決勝

 松田は惜しかった。展開や記録は申し分のないレースだった。課題としてきたドルフィンキック、ターンは、去年の世界選手権の時と比べても生きていた。フェルプスを倒すため、まずはスピード強化を図った。100メートルは北京の時は53秒台の頭だったが、今は51秒台後半も出せる。そしてロクテのところで、ドルフィンキックの強化も図った。

 100メートルを54秒18で入ったが、余裕があった。最後の50メートルも29秒65でまとめ、北京で出した日本記録(1分52秒96)に0秒25差だった。今大会のフェルプスの状態を見れば、松田の記録(1分53秒21)が優勝ラインと踏んでいたが、結果はフェルプスが意地を見せて1分53秒01。さらに優勝したレクローは想定外だった。いきなり決勝で1分52秒台というのは驚きだ。ただ松田もミスがなく、4年間の積み重ねが表現された、いいレースだったと思う。

 結果は銅メダルだが、この4年間で世界はどんどん動いている。打倒フェルプスでやってきた有力選手が決勝にも残れず、レクローのような若手が台頭した。そんな世代交代の波に負けず、2大会連続のメダル獲得。その頑張りを高く評価したい。

 [2012年8月2日9時6分 紙面から]



五輪競泳コラム

Nikkan Olympic Swimming Columns
競泳評論・高橋繁浩

競泳評論・高橋繁浩

元五輪代表の高橋繁浩氏(中京大教授)が五輪競泳を評します。

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