日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムです。



コラム Nikkan Olympic Column
競泳評論・高橋繁浩 五輪コラム 競泳評論・高橋繁浩

 ◆高橋繁浩(たかはし・しげひろ)1961年(昭36)6月15日、滋賀県生まれ。84年ロス五輪100平10位、200平12位で引退。87年 に復帰し、88年ソウル五輪200平10位で引退。引退後は中京大で指導するとともに、五輪のテレビ解説も務める。

立石と北島、コース巡り合わせの妙

<ロンドン五輪:競泳>◇1日(日本時間2日)◇男子200メートル平泳ぎ決勝

 北島は自分のレースを貫き、いい泳ぎをした。記録が足らなかったが、最後まで期待を持たせてくれる内容だった。前半50メートルのストロークは14回。持ち前の大きな泳ぎで、5位と敗れた100メートルからうまく立て直していた。昨年の世界選手権の経験があってのことだと思う。逆にラスト50メートルは33秒88かかっている。ここを33秒台前半でまとめていれば、メダルはつかめた。

 今回はジュルタの力が抜けていたが、北島も4月の日本選手権当時の状態に戻せばチャンスがあった。ジュルタは予想通りだが、ジェーミソンの2着は予想外だった。ラスト50メートルは唯一の32秒台。最後は勢いのある選手が上位に入った印象だ。

 立石は準決勝からよく立て直した。準決勝は同じ組に速い選手がおらず、自分でレースを引っ張る展開になった。そのためラスト50メートルで伸びなかった。だが、今回の決勝は運命にも、北島が隣のコース。レースパターンを知り尽くす北島をペースメーカーにつけ、いい位置で落ち着いて前を追うことができた。それが最後の逆転劇につながった。計算してあのコースにはなれない。これも不思議な巡り合わせでしょう。

 [2012年8月3日10時1分 紙面から]



五輪競泳コラム

Nikkan Olympic Swimming Columns
競泳評論・高橋繁浩

競泳評論・高橋繁浩

元五輪代表の高橋繁浩氏(中京大教授)が五輪競泳を評します。

きっかけは寺川だった[6日09:44]