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立石200平コバンザメ作戦で北島に勝つ!

スペイン合宿で、練習後にジュースで乾杯する、左から立石、入江、寺川(共同)
スペイン合宿で、練習後にジュースで乾杯する、左から立石、入江、寺川(共同)

 【テネリフェ島(スペイン領カナリア諸島)15日=山本孔一通信員】立石コバンザメが北島を食らう? 競泳のロンドン五輪代表がロンドン五輪の直前合宿を公開し、日本で調整中の男子平泳ぎの北島康介(日本コカ・コーラ)を除く26人が参加。男子平泳ぎの立石諒(23=NECグリーンスイミングクラブ玉川)が絶好調で、見守った平井伯昌ヘッドコーチは「コバンザメ作戦。言葉は悪いけど勝ってしまうかも」と絶賛した。チームは28日の競技開始に向け、20日にロンドン入りする。

 大西洋を望む丘にある屋外プール。強い日差しが照りつける中、約2時間、立石は水の感触を確かめるように泳いだ。ひょうひょうとした口調ながら、言葉はテネリフェの太陽に負けないくらい熱く、輝いた。

 立石 200は康介さんに勝ちたいし、勝ったら世界一だと思っている。今年に入ってから心がすごく落ち着いている。他の人を気にしなくなった。誰が何秒を出したから僕はとかいうのはまったくない。

 北島から「努力しない天才」と呼ばれた。だが、そんな姿はもう見あたらない。昨秋に慶大を休学。徹底的な泳ぎ込みと筋トレで、心も体も成長した。高城コーチは「周りからは背中が大きくなっていると言っていただける。やってきたことが出ているのかな」と手応えを口にする。

 そんな立石の充実ぶりに目を見張るのが、日本代表・平井ヘッドコーチだ。昨年までの力に頼った泳ぎから脱却したことを指摘し、「うまく水を捉えている。手をかいてから足を蹴っての体重移動など、技術的にもだいぶ上がっている」と絶賛。そして「今回は『コバンザメ作戦』で行くと思う。くっついていて最後にうまくいこうという狙いがはっきりしている。そのレースができれば、言葉は悪いが勝ってしまうかもしれない」とほくそ笑んだ。

 4月の日本選手権では前半100メートルを1分1秒11で突っ込んだ北島に食らいつき、終盤に猛追した。今季世界最速の2分8秒00をたたき出した北島にあと0秒17と迫る好記録だった。そんな姿から飛び出た「コバンザメ」だが、練習の充実ぶりからすれば、一発逆転も大いにありそうだ。

 「日本のお家芸」と言われた男子平泳ぎの200メートル。32年ロサンゼルスの鶴田義行、小池礼三、56年メルボルンの古川勝、吉村昌弘が金銀を独占した。立石は「納得いくレースできて勝ったらうれしいし負けたらしょうがない。そう思えるレースがしたい」。56年ぶりの「ワンツー」へ、立石がコバンザメとなって、北島の背中から襲いかかる。

 ◆立石諒(たていし・りょう)1989年(平元)6月12日、神奈川生まれ。湘南工科大付高-慶大。06年国体200メートルで北島の高校記録を更新。08年北京五輪は出場を逃す。今年4月の日本選手権は100メートル59秒60、200メートル2分8秒17で2位。182センチ、74キロ。

 [2012年7月17日9時18分 紙面から]



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競泳評論・高橋繁浩

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元五輪代表の高橋繁浩氏(中京大教授)が五輪競泳を評します。

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