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女は銅!「長女」寺川けん引/競泳

銅メダルを手に笑顔を見せる、左から上田、加藤ゆか、鈴木、寺川(撮影・田崎高広)
銅メダルを手に笑顔を見せる、左から上田、加藤ゆか、鈴木、寺川(撮影・田崎高広)

<ロンドン五輪:競泳>◇4日(日本時間5日)◇女子400メートルメドレーリレー決勝

 競泳日本女子が400メートルメドレーリレーで銅メダルを獲得した。今大会を最後に第一線から退く意向の背泳ぎ・寺川綾(ミズノ)が58秒99の好記録で引っ張り、3分55秒73の日本記録を樹立。00年シドニー大会以来、3大会ぶり2度目の銅メダルを獲得した。優勝した米国の3分52秒05は世界新記録だった。

 最年長27歳の「長女」寺川が、先陣を切った。50メートルを29秒11の4番手で折り返すと、ぐいぐい追い込んだ。個人2冠の米国フランクリンに食らいつき、100メートル決勝の58秒83に続く58秒99を記録。この泳ぎがチームに勢いをつけ、鈴木、加藤、上田とミスなく引き継ぎ、ロシアを0秒30差で抑えての銅メダルだった。

 表彰式。寺川は感無量の面持ちで、涙が止まらなかった。「自分たちが夢に見た結果を出すことができて本当にうれしく思った。アメリカ、オーストラリア、そして日本の国旗が表彰式で並んで出たときに『これだ』と思って、『待っていたのはここなんだ』と思って、ちょっと自分で感動してしまいました」。

 200メートルを捨て、メドレーリレーのために100メートル一本に絞った。加藤、上田とは同じ平井コーチ門下生。寺川を頭にそれぞれ2歳違い。「東スイ3人娘」と呼ばれ、東京スイミングを拠点に寝食をともにする。

 「三女」の上田の実家が近いことから、月に1度は「上田会」と称し、夕食を囲む。上田は以前「お好み焼きを作ったんですけど、私が材料をまぜて、関西出身の綾さんが焼いて。ひっくり返すのがうまいんですよ、で、ゆかさんがソースと切り分けてくれる。ちゃんと役割が決まっているんです」と話していた。あうんの呼吸が、この大一番で決まり、勢いある鈴木が4番目のピースとなり、かっちりはまった。

 大役を終え、寺川は「こんなにオリンピックが楽しいものとは想像がつかなかった。でもチーム力って本当に結果に表れるんだと思った」。絆を胸に深く刻み、長女は晴れやかな表情で水から上がった。【佐藤隆志】

 [2012年8月6日9時0分 紙面から]



五輪競泳コラム

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競泳評論・高橋繁浩

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元五輪代表の高橋繁浩氏(中京大教授)が五輪競泳を評します。

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