北島３連続２冠へ「いいプール」

　偉業達成へ、好感触だ！　ロンドン五輪の競泳日本代表が２１日、本番会場の水泳センターで初練習を行った。３大会連続の「２冠」を目指す男子平泳ぎの北島康介（２９＝日本コカ・コーラ）ら、選手は総じて「いいプール」と絶賛。肌にぴったりな水温になっており、金メダル量産を狙う「トビウオジャパン」の実力はいかんなく発揮されそうだ。

　決戦の地での「泳ぎ初め」は十分だった。午前９時２０分、引き締まった顔で水泳センターに現れた北島がプールへ沈んだ。６コースをスイスイ泳ぎながら約１時間半、水の感触を確かめた。水色の壁に囲まれたプール、そして選手村は文句のつけようがないものだった。

　北島　過ごしやすくて調整しやすそう。ま、オリンピックという感じですね。いいプールとは思います。選手村もコンパクトで過ごしやすい。

　水泳センター係員によれば、水温は２６～２６・５度に調整されているという。日本選手団が強化拠点にする国立スポーツ科学センター（ＪＩＳＳ）も２６度で管理。「トビウオジャパン」の予想が的中した。「世界水泳は寒かったけど、ここは快適」と言う男子背泳ぎの入江陵介（イトマン東進）ら、デリケートな肌を持つ五輪戦士には軒並み好評だった。

　北島は２０日（日本時間２１日）に米国からロンドン入りした。「昨日もバッチリ夜中１時に起きた」と、時差ぼけが残るが、不安はない。最初のレースとなる１００メートル予選は２８日。「１週間くらいありますから、ゆっくり少しずつ上げていければ」と手応えはある。

　練習中は同じコースを泳いでいた最年少１５歳の渡部香生子（ＪＳＳ立石）に話しかけた。「調子はどう？　みたいな感じ。苦笑いしてましたね」。さすがのキングも、戸惑われてしまい苦笑い。ただ、リラックスした表情で初練習を終えて気持ちも高まった。

　北島　オリンピックも４度目になるんでね。気持ちは落ち着いていると思う。自分自身に期待していますし、このオリンピックを楽しめるように準備してきたつもりなので、いい泳ぎができれば。

　３大会連続の「２冠」へ向けて視界は良好。日本中を沸かせる瞬間を頭に描きながら、北島のロンドンでの戦いが始まった。【近間康隆】

　［2012年7月22日9時1分　紙面から］