日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムです。



競泳 Swimming
  1. トップ
  2. ニュース
  3. フォト
  4. 日程&結果
  5. 選手名鑑
  6. 競技メモ
  7. メダル史

北島「自分に金メダルを期待」

会見でダーレオーエンさんの質問に、言葉を詰まらせる北島
会見でダーレオーエンさんの質問に、言葉を詰まらせる北島

 男子平泳ぎで競泳史上初の五輪3大会連続2冠を狙う北島康介(29=日本コカ・コーラ)が、26歳で亡くなったライバル、アレクサンドル・ダーレオーエン選手(ノルウェー)にささげる金メダルを誓った。日本代表チームの公式会見が25日、ロンドン市内の選手村会見場で行われ、ノルウェーメディアに同選手への思いを問われ「彼の分とはいかないまでも、自分にできる精いっぱいのレースをしたい」と発言。「自分も、自分に金メダルを期待している」と世界に向けてアピールした。

 北島がライバルの思いも背負い、金メダルを誓った。五輪前の公式会見。ノルウェー通信のマグナス・アーバッハ記者から質問が飛んだ。「アレックス(ダーレオーエン選手)がここにいない中で戦う気持ち、亡くなったことを聞いた時の反応を教えてほしい」。

 北島 非常に彼とレースをしたかったので、ここにいないのはさみしい気持ちでいっぱい。彼自身、ここに来て戦いたかっただろうし、僕も昨年から彼を目標にここまでやってきたので残念。彼の分とはいかないまでも、自分のできる精いっぱいのレースをしたい。

 前回の北京五輪。準決勝まで五輪新記録でトップ通過するダーレオーエン選手を、決勝の大一番でうっちゃった。逆に昨年の世界選手権の決勝では力の違いを見せつけられて完敗。優勝したダーレオーエン選手から1秒32の4位。「今のままじゃ、かなわない。完敗ですよ」。昨年からは、王者と呼ばれながらも「目標」としてきた選手だった。

 だが、2度と戦うことはない。4月下旬、米アリゾナ州の高地合宿中に急死した。北島はツイッターで「涙がとまらないよ」とつぶやき、ショックにうちひしがれた。北京五輪を経て、ライバルであり、親友となったアレックスに、静かに哀悼の意を示した。ただ立ち止まってはいられない。自らに課された宿命と捉え、以前にも増して米国でトレーニングを積み、ロンドンに乗り込んできた。

 記者会見でまず目標を問われると、ひとこと「もちろん金メダルです」。そして「自分も、自分に金メダルを期待している」。日本選手権の100メートルでは日本記録の58秒90を記録しているが「それを超えるつもりでやっている」。新たな決意を、世界に向けて高らかに発信した。【佐藤隆志】

 [2012年7月26日8時41分 紙面から]



五輪競泳コラム

Nikkan Olympic Swimming Columns
競泳評論・高橋繁浩

競泳評論・高橋繁浩

元五輪代表の高橋繁浩氏(中京大教授)が五輪競泳を評します。

きっかけは寺川だった[6日09:44]