日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムです。



競泳 Swimming
  1. トップ
  2. ニュース
  3. フォト
  4. 日程&結果
  5. 選手名鑑
  6. 競技メモ
  7. メダル史

北島、4年後リオ33歳現役/競泳

銅メダルを獲得した立石(右)を抱き寄せる4位の北島(撮影・田崎高広)
銅メダルを獲得した立石(右)を抱き寄せる4位の北島(撮影・田崎高広)

<ロンドン五輪:競泳>◇1日(日本時間2日)◇男子200メートル平泳ぎ決勝

 北島康介(29=日本コカ・コーラ)の3連覇の夢がついえた。男子平泳ぎ200メートルで2分8秒35の4位。100メートルに続きメダルを逃したが、今後も前向きに競技に取り組む姿勢を見せた。優勝のダニエル・ジュルタ(ハンガリー)は2分7秒28の世界新記録だった。

 期待された3連覇はならなかった。それでも大きな夢を見せてくれた。

 北島は前半から飛び出した。50メートルを28秒64のトップで通過。04年アテネの決勝が29秒10、08年北京の決勝29秒04を上回るハイペースだ。100メートルもトップ通過。だが、130メートルでジュルタが前へ。150メートルは2番手で抜けたが、ラスト20メートルでジェーミソンにかわされ、立石の猛追を食らう。必死に粘る。3着か、と思われた瞬間、タッチのタイミングが合わない。そのロスを突かれ、立石に逆転を許した。

 北島 まあ、残念は残念。悔しいですけど。でも100に比べて自分らしい泳ぎができたのでホントに悔いはないです。このオリンピックの舞台で、最後に自分らしさをちゃんと出せて、個人は終えられたので。

 最後のタッチがしっかり伸びていれば、銅メダルだった。でも「たら、れば」の話はしない。150メートルまで積極的に飛ばした分、最後の場面でタッチが合わなかった。それでも胸を張って、こう言い切った。

 北島 ラスト50メートルまでためて勝負というよりも、今日、自分の泳ぎがようやくできたから。じゃあ、トライしてやろうと。金メダルうんぬんよりも、自分が持っている泳ぎだったり、スタイルをきっちり出したいなと思っていました。

 02年のアジア大会を2分9秒97で制し、初めて年間世界ランク1位をつかんだ。ここから北島の時代が始まった。04年アテネ、08年北京と2大会連続の2冠。この10年、世界のトップレベルに君臨し、今なお力に衰えは見えない。世界選手権を制したダーレオーエン、今回の100メートルを制したファンデルバーグ、200メートル覇者のジュルタも、みんな北島を目標とした。

 動きに無駄がなく、少ないストロークで大きく伸びる泳ぎ。前半から見せる積極的なレース展開。ライバルたちは日本に足を運び、北島をまねた。平井伯昌コーチが言う。「あいつが世界の平泳ぎの歴史をつくった。今のレベルを築き上げた張本人。ジュルタのコーチにも同じことを言われた」。ロンドンで飛び出した2つの世界記録は、北島が導いたものだった。

 4月1日からデサント社と2年間のアドバイザリー契約を結び、現役続行は既定路線。北島は「あらためて水泳の難しいところが好きになった」と話した。ただ、どういう目標で今後に向かうのか。平井コーチは「4番とか5番じゃ、メダルが取れなくて、本人が一番がっくりしているでしょ。やるからには勝負ってものを狙ってやってもらいたい」と奮起を促す。9月で30歳だが、限界はまだ見えない。4年後のリオへ、夢の続きが始まった。【佐藤隆志】

 [2012年8月3日8時58分 紙面から]



五輪競泳コラム

Nikkan Olympic Swimming Columns
競泳評論・高橋繁浩

競泳評論・高橋繁浩

元五輪代表の高橋繁浩氏(中京大教授)が五輪競泳を評します。

きっかけは寺川だった[6日09:44]