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内村雪辱の金メダル!「夢みたい」/体操

金メダルを手にする内村(撮影・たえ見朱実)
金メダルを手にする内村(撮影・たえ見朱実)

<ロンドン五輪:体操>◇1日(日本時間2日)◇男子個人総合決勝

 日本の内村航平(23=コナミ)が堂々の演技を続け、92・690点で金メダルを獲得した。個人総合の日本勢の金メダルは84年ロサンゼルス五輪の具志堅幸司氏以来、28年ぶり4人目の快挙となった。負傷欠場の山室光史に代わって出場した田中和仁(27=徳洲会)もメダルこそ逃したものの89・407点で予選22位からジャンプアップの6位入賞を果たした。エースと主将の活躍で、ミスが続いて銀メダルにとどまった団体の雪辱を果たし、今後の種目別に勢いをつけた。体操男子は3日間の休養をはさんで、5日から3日間、種目別の決勝を行う。

 表彰台の内村は左手でメダルを持つと、何度も何度も確認するように見つめた。声援に右手の花束を挙げて応えたときも、自分の手からメダルを放すことはなかった。08年北京五輪から、この日のために厳しい練習を積んできた。「夢かと思いました。重たいし、一番輝いている。今も夢みたいで信じられない気持ちです」。09年から世界選手権の同種目を3連覇した王者にも、五輪のメダルは別格だった。

 会場には本物の内村が帰ってきていた。最初の競技はあん馬。他の有力選手も落下などのミスを重ねた鬼門で、この種目2位の15・066点を出した。団体でのミスが頭に浮かび「苦しかった」と話したが、同時に「あん馬を乗り切れれば最後まで行けると思っていた」と勝負をかける気持ちだった。

 つり輪でも15点台を出して迎えた跳馬の演技。スタート地点に立つ内村に、平行棒の演技を待つ田中和が「ガンバ」と声をかけた。スタンドからも「ガンバ」の声が響く。気負いのない表情でスタートすると、2回半ひねりから難度の高い前向きの着地。当然のようにピタリと止めると、会心の笑顔がはじけた。この種目トップの16・266点を記録した。その後も演技内容を微妙に調整し、致命的なミスなく高得点を重ね、全6種目で15点以上を記録した。

 表彰式後はスタンド応援団の元に行き、花束を母・周子さんへ向かって投げた。「やっとここまできたなとという思いと、いろいろな思いが込み上げました。親には一番の感謝の気持ちが込み上げました。チームのため、国民のために気持ちを強く持とうと思った。ただただ、ありがとうと言いたい」と感謝の気持ちを口にした。

 まだ23歳。16年リオデジャネイロ五輪には連覇がかかる。「これからも体操人生は続くので、演技で恩返しをしていきたい」。世界最高の演技を続け、日本を励まし続けていく。

 [2012年8月2日4時7分]



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