内村床運動で銀！３個目メダル／体操

＜ロンドン五輪：体操＞◇５日◇男子種目別床運動決勝

　男子個人総合金メダリストの内村航平（２３＝コナミ）が、１５・８００で銀メダルを獲得した。団体の銀を含め、今大会３つめのメダルとなった。３番目に演技したデニス・アブリャジン（ロシア）も同得点だったが、Ｅスコア（実施点）で上回った。プレッシャーをかけたが、床運動のスペシャリスト鄒凱（中国）が完璧な演技で１５・９３３を出し、金メダルを獲得した。

　ロンドン五輪最後の演技はトップバッターでの登場。着地がわずかにずれたところもあったが、最後の後方宙返り３回ひねり後は内村らしくピタリと止める美しい着地。声援をくれたスタンドに向け、大きなガッツポーズを見せた。

　表彰で名前をコールされると、大歓声に掲げた両手を振って応えた。銀メダルだったが、表情には納得の笑顔が浮かんでいた。「今大会の最後にようやく満足できる演技が出た。（待っている間は）自分の演技のことしか考えていなかった。（銀メダルは）満足な演技だったから、とてもうれしい。終わりよければすべて良しという言葉もあるけど、最後の最後にいい演技ができて良かった。日本のみなさんにがんばっている姿を見せられて、感動と勇気を与えられたと思う」と、落ち着いた声で話した。

　団体予選での鉄棒落下などまさかのミスもあった。４年間何をやってきたのかと自分を責めたこともあった。だが、崩れることなく立ち直った。１６年リオデジャネイロ五輪での雪辱へ、また大きな経験を積み、内村が笑顔でロンドン五輪を終えた。

　［2012年8月5日23時20分］