日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムです。



体操 Gymnastics
  1. トップ
  2. ニュース
  3. フォト
  4. 日程&結果
  5. 選手名鑑
  6. 競技メモ
  7. メダル史

内村やっちゃった~ミス連発

本番会場の鉄棒練習で手をすべらせて落下する内村(撮影・田崎高広)
本番会場の鉄棒練習で手をすべらせて落下する内村(撮影・田崎高広)

 内村が見せたがりの“本領発揮”で落下した。体操の日本男子は25日(日本時間26日)、本番会場での実戦形式の練習を行い、世界王者の内村航平(23=コナミ)が張り切りすぎて、最初の鉄棒で2度の落下。その後もあん馬の降りでバランスを崩すなど心配させたが、「力が有り余っている証拠」と説明した。

 待ちに待った本番会場のノースグリニッジ・アリーナだった。「やっと来たという感じ」。内村は喜びで、つい力が入った。「すごくアピールしてやろうかなと思ってしまった」。張り切りすぎた。団体総合予選を想定した鉄棒スタートの実戦形式。いきなり内村が、2つの離れ技で落ちた。

 さすがにヒヤッとさせた。演技後半。F難度のコールマンで左手がバーをつかみ損ねた。右手1本で支えると、体が大きく反転。背中からマットに落ちた。「体の調子も良く、流れも良かったから、つい力が入った」。単発で行ったリューキンも、バーから遠く、マットに大の字に落下。しかし、けがはなかった。

 種目をローテするスピードが思ったよりも速かった。3種目目のあん馬では、降りで手が滑ったのか、大きくバランスを崩した。「ローテが速過ぎて、ちょっと疲れた。よくある失敗」。自分のリズムで演技ができず、意外なミスが連続した。それでも、苦笑いで、テレビカメラに両手でVサインの余裕だった。

 元世界王者で中国の楊威が観客席で熱い視線を送っていた。連日、地元紙では内村の記事が掲載されている。重圧について「そんなものはないですね」。外国報道陣の質問に、平然と答え、度肝を抜いた。

 この日、中国の団体総合メンバーである滕海浜(トウ・カイヒン)がけがで欠場することが分かった。昨年の世界選手権団体総合決勝では4種目を演技した金メダルの原動力だった。日本への追い風にも、内村は「自分たちの演技をするだけ。失敗? 気にしてない」と、全く動じなかった。【吉松忠弘】

 [2012年7月27日9時15分 紙面から]



五輪体操コラム

Nikkan Olympic Gymnastics Columns
体操評論・米田功

体操評論・米田功

アテネ五輪団体総合金メダリストの米田功氏が五輪体操を評します。

内村の強い思いに他が追いついていない[9日10:45]