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内村ミス「何やってきたんだろう」/体操

銀メダルを獲得し、表彰式でメダルを見る内村
銀メダルを獲得し、表彰式でメダルを見る内村

<ロンドン五輪:体操>◇7月30日(日本時間同31日)◇男子団体総合決勝

 日本が後味の悪い銀メダルに終わった。最終種目あん馬の最終演技者だった内村航平(23=コナミ)が、降り技でバランスを崩し、その得点を巡って日本側が抗議。最初に発表された13・466点なら日本は4位で、00年シドニー大会以来のメダルなしで終わるところだったが、再審議の結果、内村の得点が0・7点上がり、合計271・952点で2位と訂正された。2連覇した中国とは4・045点の大差だった。

 悪夢だ。得点の表示された頭上の電光掲示板を、内村はぼうぜんと見つめていた。顔は青ざめた。完全無欠のはずの世界王者のミスで、日本は4位に転落した。「何も言葉が出なかった。今まで何をやってきたんだろう」。団体総合の金メダルしか眼中になかった。その内村が、自らの手で、メダルを逃す最悪のミスを演じたかと思われた。

 得点が出た瞬間、代表の森泉貴博コーチが、主任審判のところに駆け寄った。規則で許される再審議の要求だ。判定を最終決定する国際体操連盟の技術委員に、片言の英語で必死に訴えた。「個人個人の名前を呼んで、1人1人の目を見ながら、話しました」。最後の降り技はまったく難度を認めてもらっていなかった。森泉コーチは「シー、シー、シー」と連呼。C難度であることを強調した。

 6人の技術委員は最終的にビデオで演技をチェック。内村の演技が終わって約15分後、頭上の電光掲示板に「INQUIRED ACCEPTED(要求を認可)」の文字が躍った。C難度を認定し、得点は13・466点から0・7点上がり14・166点。日本の銀メダルが確定した。地元英国が銅メダルに落ち、会場は騒然。ブーイングの嵐が起きた。

 2種目目の跳馬で、得点源の山室が、着地で前にバランスを崩した。左足の甲を痛め、車いすで退場した。しかし、それ以外は、大きなミスはなく、5種目目の床運動を迎えた。そこで田中和に手をつくミス。5種目を終わって、中国とは2・577点差。逆転は厳しい状況ではあった。最終種目のあん馬の1番手、田中和が落下したところで、日本の金は完全になくなった。

 内村にとって、むなしい銀メダルだった。表彰式で、北京の時と同じく、また中国国歌を聴いた。「2位も4位も変わりない。4年前もこの銀を見て、中国の金をうらやましく見ていたのを思い出した」。ミスがなかった中国との差は4・045点。昨年10月の世界選手権の時より、差は倍に広がった。悲しい銀メダル。苦い味だけが残った。【吉松忠弘】

 [2012年8月1日9時7分 紙面から]



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